電気ブラン

泡盛の杜管理人

2008年09月08日 23:50

久々に泡盛以外の酒です。
沖縄ネタとは無関係ですが。

ビール以外でしたら何でもいけます。
本日のお酒は電気ブラン
浅草の神谷バーで有名なお酒です。



浅草の神谷バーに電気ブランと名付けられたカクテルが登場して、およそ百年の歳月が流れています。
その間、電気キブランは、浅草の移り変わりを、世の中の移り変わりをじっと見てきました。ある時は店の片隅で、またある時は手のひらのなかで…。
電気が斬新(その象徴)だった明治の頃、目新しいもの、ハイカラなものに対して”電気〇〇”と呼び、当時のトレンドに敏感な人たちの興味を引きました。さらにこの電気ブランは非常に強い酒で、当時はアルコール45度(今回呑んだのは、40度。同じく30度のものもあります)。

ピリピリとしびれる電気のイメージと重なって、この名がぴったりだったのです。
そういうわけで、電気は新しいもの、一方の『ブラン』はブランデーのブランです。
ブランデーの他にジン、ワインキュラソー、薬草などがブレンドされています。
しかしその分量 だけは未だもって秘伝 になっています。
何とも暖かな琥珀色、まったりとした独特な甘味が歴史を感じ美味しいです。

現在も合同酒精株式会社が醸造・販売を行っており、普通に購入できます。
30度のものを電気ブラン、今回飲んだ40度のを電気ブランオールドといい、この2種類があります。
本家、神谷バーのメニューでは前者をデンキブラン、後者を電氣ブランとしているそうです。

100年前の当時から大人気でした。

明治・大正・昭和・平成、時代は移っても人の心に生きつづける電気ブラン。
電気ブランは浅草の人生模様そのものですね。
太宰治が、作品「人間失格」の中で、「酔いの早く発するのは、電気ブランの右に出るものはないと保証し、……」と書いているそうです。

飲み方は、普通のロックや水割りではなく、冷凍庫でガンガンに冷やしてストレートで飲みます。
ちなみに冷凍庫で保存しても、凍りません。
グラスも凍らせて冷やしておいて。
この電気ブラン、浅草ではなく茨城のシャトーカミヤで購入しました。

ここのシャトーはその名の通り、ワインの醸造を行っているところなんですが、その建物も風合いがあり、よく手入れされた庭園。

伝統に抱かれて過ごす華やかなひととき。こころにおいしい、シャトーの森。

シャトーカミヤの森の木々たちはいつもさまざまな色に輝き四季を通じて楽しく華やかな集いを演出しています。シャトーカミヤで育まれた、ここだけのワインや地ビールでお料理を楽しめます。

日本のワイン醸造の1ページを飾るシャトーカミヤは明治36年(1903年)浅草「神谷バー」の名でも知られる神谷傳兵衛が建設しました。ぶどうの栽培からワインの醸造・瓶詰めまでを一貫して行った日本初の本格的ワイン醸造場であり日本のワイン発祥の地のひとつです。
もちろん、いろんなワインも販売されているし、当時の面影を強く残すワインセラーもあります。

酒飲みにはたまらない空間です。
一度アシを運んでみることをお勧めします。ぜひ、酒が飲めなくて運転の好きな人と一緒に。


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