泡盛の杜

沖縄の山羊（ヤギ）にまつわる話です。
はじめに：沖縄では、ヤギを日常（もしくはお祝いの席などで）食します。



その昔（といっても昨年ですが）、仕事が終わって那覇のとあるスナックでおねーちゃんと飲んでいたときに聞いた悲しい実話。

おねーちゃんは、子供の頃子ヤギを飼っていたそうです。そのヤギの名前は「メリーちゃん」。メリーちゃんと言えば一般的には羊を思い浮かべますが、ここは気にしないでください。
そのおねーちゃんは、ヤギのメリーちゃんを妹のように毎日かわいがっていたそうです。本土で言う、子犬のペットのようですね。
で、あるとき、そのおねーちゃんの家が、めでたいことに新築することになったそうです。しばらくの仮住まいの後に、完成した新居に家族で引っ越してきました。幸せいっぱいなおねーちゃんは、家族や親戚一同とともに新築祝いの美味しい料理を食べていました。
ある程度、宴もたけなわとなって、大人達が酔っぱらってきたときにふと気付いたのです。
そういえば、メリーちゃんはどこに行ったのでしょう？
「おかあさん、メリーちゃんはどこに行ったの？」
お母さんはこう答えました「メリーちゃんは、みんなの幸せを祈って遠いアーカイブ星に行ったんだよ（ここは作り話です）。」
そのとき、おねーちゃんが美味しくいただいていた料理がありました。
・・・・
メリーちゃんがどこに行ってしまったのかを本当に知ったのは、おねーちゃんがだいぶ大きくなった後のことでした。