2006年05月01日
幻の泡盛「御酒(うさき)」

瑞泉酒造の瑞泉・うさき・御酒です。

ふだん、あまり高い泡盛は購入しないのですが、近所の酒屋の親父から強く進められて奮発して買ってみました。
この泡盛は、沖縄戦で絶滅したとされていた戦前の黒麹菌を使った復刻泡盛です。
東京大学で保存されていたアンプルから酒造所の方々が苦労されて復活させた泡盛です。
昔ながらの手間のかかる手作業を行っており、昔の菌の味を忠実に再現するために全社を挙げて取り組んだそうです。単なる泡盛造りではなく、いわゆる文化事業ですね。
このため、当初、市販は予定されていなかったそうですが、非常に多くのファンから「なんとしても飲みたい」と言う強い要望を受けて、商品化に至ったそうです。
その銘ですが、戦前当時泡盛の一つ一つにブランド名などがなかった時代、すべての粟森がそう呼ばれていたように、「御酒(うさき)」と名付けられました。つまり、いわゆる「おさけ」です。
これだけの泡盛に余計な名称など必要ないと言うことですね。
アンプルから復活した瑞泉の麹菌は、採取は約60年前ですが、100年以上の歴史を誇る瑞泉酒造所にいた麹菌ですから、もっと古いんでしょう。琉球王朝末期から受け継がれていた物ではないでしょうか。
現在の黒麹菌は、泡盛の品質確保のために改良された物ですが、これは非常にデリケートで発見当時、泡盛がきちんとできる確率は50%以下と言われていたそうです。

30度
720ml入りで、約3000円。
非常にトロッとしていて、口当たりがまろやかです。現在の洗練された泡盛とはまた違ったまろやかさが強いです。普通の瑞泉とは全く違います。
お勧め度5点。一度は飲んでみたい銘酒ですね。
「幻の泡盛復活への道」は詳細記事に続く。
「幻の菌」復活への道
以下、御酒の箱に入っていた資料からの引用です。
1935年
東京大学の坂口博士、瑞泉菌を研究採取
瑞泉酒造所の前身喜屋武酒造所に、当時の代表者喜屋武ナヘさんを訪れた発酵学の世界的権威・故坂口謹一朗東大名誉教授は、麹や桶の周辺土壌を採取。このとき坂口氏は沖縄の68の酒造所を巡り、約620株の黒麹菌を研究採取し、東京に持ち帰ったという。
1939年
第二次対戦開始
1944年
東京の空襲激化、菌は疎開。
標本を命と思う坂口氏は、黒麹菌株の疎開を決意。研究室の床板を剥がして箱を作り、博士の古里の新潟県高田(現在の上越市)等に分散した。
1945年 6月
沖縄戦集結。県内の黒麹菌全滅。
3ヶ月委以上にわたった地上戦で甚大な被害を受けた沖縄。なかでも軍の司令部がおかれていた首里は地形が変わるほどの壊滅状態。ここには、昔からの酒造所がひしめき合っていたが、各酒造所ごとに伝えられてきた個性ある麹菌は全滅。このとき、疎開しないで首里で麹を守り続けてきた喜屋武ナヘさんは4月に戦死。
8月
終戦。
物資が底をついていた終戦直後、黒麹菌の強い糖化力から、アルコール生産原料として期待され、東大において実験も行われていた。
幸いか、研究中に終戦。沖縄の黒麹菌は戦争に関わることなく保存棚に保管され、そっと忘れ去られてゆく。
関連リンク、御酒物語
復活編は次回に続く。

以下、御酒の箱に入っていた資料からの引用です。
1935年
東京大学の坂口博士、瑞泉菌を研究採取
瑞泉酒造所の前身喜屋武酒造所に、当時の代表者喜屋武ナヘさんを訪れた発酵学の世界的権威・故坂口謹一朗東大名誉教授は、麹や桶の周辺土壌を採取。このとき坂口氏は沖縄の68の酒造所を巡り、約620株の黒麹菌を研究採取し、東京に持ち帰ったという。
1939年
第二次対戦開始
1944年
東京の空襲激化、菌は疎開。
標本を命と思う坂口氏は、黒麹菌株の疎開を決意。研究室の床板を剥がして箱を作り、博士の古里の新潟県高田(現在の上越市)等に分散した。
1945年 6月
沖縄戦集結。県内の黒麹菌全滅。
3ヶ月委以上にわたった地上戦で甚大な被害を受けた沖縄。なかでも軍の司令部がおかれていた首里は地形が変わるほどの壊滅状態。ここには、昔からの酒造所がひしめき合っていたが、各酒造所ごとに伝えられてきた個性ある麹菌は全滅。このとき、疎開しないで首里で麹を守り続けてきた喜屋武ナヘさんは4月に戦死。
8月
終戦。
物資が底をついていた終戦直後、黒麹菌の強い糖化力から、アルコール生産原料として期待され、東大において実験も行われていた。
幸いか、研究中に終戦。沖縄の黒麹菌は戦争に関わることなく保存棚に保管され、そっと忘れ去られてゆく。
関連リンク、御酒物語
復活編は次回に続く。

Posted by 泡盛の杜管理人 at 09:14│Comments(1)
│泡盛について
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この記事へのコメント
◆泡盛マイスターさん
トラバありがとうございます。
瑞泉の御酒本当に良いですよね。
トラバありがとうございます。
瑞泉の御酒本当に良いですよね。
Posted by 泡盛の杜 at 2006年05月09日 00:45